防刃用品の防御力を表す単位として「ニュートン(単位:N)」が使われますが、これはどういったものなのでしょうか? 聞き慣れない単位ですので、ここではこれについて解説します。
「ニュートン」と言えばもちろんイギリスの物理学者「アイザック・ニュートン(Sir Isaac Newton)」のことなわけですが、力を表す単位としての「ニュートン(単位:N)」は、「1kgの質量を持つ物体に、1メートル毎秒毎秒 (m/s2) の加速度を生じさせる力」となります。日常生活では重さの単位はgやとなりますが、物理の世界ではg・kgは質量の単位ですので重さの単位は「N」になります。なぜかと言いますと重さは地球の引力によって、ある特定の質量を持ったものが引っ張られることによって生じるからです。おおざっぱには「質量100gの物体にかかる重力の大きさ=約1N」と把握しておいて構わないようです。
ニュートンは防刃用品の能力を表記する単位としてよく使われますが、これは要するに「それだけの力を加えて刃物を刺しても大丈夫」という意味で使われるようです。ただ、計測方法はいい加減なものでは比較できませんので意味がありません。実際には日本では日本化学繊維検査協会に検査機関がありますし、アメリカでも「国立司法研究所(National Institute of Justice)」などが認可した品質試験を行うテスト機関(「H.P. White Laboratory, Inc.」など)があるなど、防刃性能についてはそれぞれ細かな計測基準がありますので、商品の購入の際にはそれらの数値を計測したのがどういった機関なのかも同時に確認した方が良いでしょう。なんといっても自分の命がかかわることなわけですから、正確を期するに越したことはありません。