・素材解説

護身用品用素材解説

更新日: 2009/04/18

 かつては刃物などを対象とした護身用品に使われる素材としては、金属が主流でした。西洋の甲冑や東洋の武具などでも、一番重要なところに長らく金属が採用されてきました。しかし金属は「重い」「曲がりにくい」などの欠点があり、装着した場合、装着者の体の動きを妨げてしまうことが往々にしてありました。

古代の甲冑の例

 重火器類の進歩に伴って、金属ですべてを覆うようなタイプの過剰な防御具は姿を消しました。現在でも金属は一定の地位を占めていますが、最近ではプラスチックと繊維を掛け合わせた「FRP」や、石油から開発された強力な繊維も実戦に使われるようになってきました。具体的には「ケブラー」「アラミド」「スペクトラ」「KA」などです。

 これらは繊維である関係上、金属のような粘りと強度は持ち合わせていません。しかし耐切創能力などの防刃性能は従来の繊維などと比べても飛躍的に高く、これらで編み上げられた繊維を複数枚重ねて使用したり、金属や「FRP」と併用することで効果を高めるアプローチが現在では主流となっています。

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